田園調布学園校友会は、学校法人調布学園が設置する各校が連携を図り、友好と親睦を深め、各学校の発展に寄与することを目的とし、2004(平成16)年に発足しました。
この組織は、法人関係者、各学校の保護者、卒業生、そして全教職員によって構成されています。
建学の精神
ー捨我精進ー
「捨我精進」は、調布女学校初代校長である川村理助先生が唱えられた言葉です。調布学園の創立者である西村庄平先生は、この言葉に深く共感し、女学校主として「捨我精進」を実践する生涯を送られました。
川村先生自身は、いかなる困難な状況にあっても、好きだ嫌いだという「我情」、損だ得だという「我欲」、理屈が通る通らないという「我見」といった自己本位の我を捨て、己の目標に向かって精進することで、心が喜びで満たされ、無限の力が発揮できるという境地に達しました。そして、この経験から得た心境を「捨我精進」という言葉に託しました。学校法人調布学園はこれを建学の精神としているのです。
各校の紹介
神奈川県川崎市麻生区にある4年制大学。1967(昭和42)年に女子短期大学として設立され、2002(平成14)年に4年制大学に改組しました。福祉・保育・心理学の専門大学として、多くの人材を育成しきました。さらに、2015(平成27)年には、大学院が開学。卒業生の多くは、主に神奈川県と東京都の福祉や保育の業界で活躍しています。
世田谷区東玉川にある中高一貫女子校。学校週5日制+土曜プログラムを特色としており、体験重視の教育活動を通じて、生徒が自信をつけ、自らの力で未来を開拓できる様にすることをめざしています。授業では、生徒の興味と関心を高める取り組みを行っていますが、生徒たちが苦手意識を持ちやすい理科や数学については、特に工夫をこらしています。その結果、進学先として毎年約45%の生徒たちが理系を選択しています。
世田谷区東玉川にある私立幼稚園。毎日笑顔で登園する子どもたちの成長と幸せを最優先に考えており、「健康な体」「豊かな心」「やり遂げる力」「人とかかわる力」「適応する力」の5つの教育の柱をもとに、子どもたちが身近な自然や環境と自らかかわり、自ら学ぶ機会を大切にしています。
川崎市中原区にある保育園・幼稚園を併せ持つ幼保連携型認定こども園です。園内に、地域の子育て支援を目的とした、地域子育て支援センター「とも」を設けています。ここでは、親子の遊び場を提供するだけでなく、子育てに関する相談や情報提供を行い、地域の子育てを全面的に支援しています。
調布学園の歴史
学園の創立期
西村庄平先生は、1923(大正 12)年、関東大震災のあった年の暮れに 22 年間務めた日本郵船会社を 47 歳で退職した後、何か国家・社会の役に立てないかと悶々としていた。同時期に、日本郵船会社在職当時からの親友竹内済二郎氏の新築した田園調布の家を訪ね、畑の中に放置されたままになっている校舎らしき建物を見つけた。竹内氏に聞くと、資金難で設立事業が中断している女学校であることを告げられた。一方、田園調布に在住の人たちからは、放置しておくのもよくないことであり、引き継いではどうかと勧められた。かねて西洋事情を見聞し教育の遅れを痛感していた西村庄平先生は、私財をなげうって事業の継続を引き受けることを決断する。
西村庄平先生と川村理助先生の出会い
学校の設立・運営を引き受けた西村庄平先生は、教員経験がなく、親戚の細川武子先生(東京府女子師範学校、現在の東京学芸大学を卒業、長く小学校の訓導を務めた後、童話作家として活躍していた。)に相談した。細川武子先生は母校東京府立第三高等女学校(現都立駒場高等学校)の恩師、芝野六助先生に校長就任を懇請した。自分はその器ではないと固辞した芝野六助先生は、川村理助先生を日本一の校長であると紹介した。
「精進の鐘」発願
創立当時の副校長細川武子先生は、川村理助先生から新しい学校の教育の理念を聞いた。この学園を「精進の道」の普及の原点としたい。その一つの方法として、学校に「精進の鐘」を設ける。朝夕に鐘の音を聞いて精進を誓い、精進をかえりみ、明日の発憤を決意する。1日の労働の後に感謝の祈りを捧げるミレーの名画「晩鐘」のように。1930(昭和5)年5月、細川武子先生が「精進の鐘」建立の発願を発表し、1934(昭和9)年1月に完成。2月11日に撞初式が行われた。
講堂の新設と朝掃除の伝統
1930(昭和5)年に校舎裏の麦畑を取り入れて講堂の新設に着手。夏休み中、教師も生徒も代わる代わる出校し、床をおからで磨き上げた。この講堂では、川村理助先生の精進道提唱10周年記念講習会が催され、その折、生徒は明け方から講堂の雑巾掛けや学校周辺の清掃に取り組んだ。朝清掃は、精進道の実践として調布学園の伝統となり、現在も続けられている。
戦後の復興と発展
1944(昭和19)年5月、政令により幼稚園が閉鎖される。幼稚園の再開は1953(昭和 28)年であった。高等女学校と同棟で設立されていた園舎は、中高の人数も多くなり、手狭となったため、現在の場所に新たに土地を得て建設された。
調布学園女子短期大学開講
昭和30年代に入ると調布高等学校から大学、短期大学に進学する生徒が次第に増え、受験戦争が激化し、保護者から短期大学を作って欲しいとの要望が出始めた。短期大学の学科は、中高の進学傾向が英文科が多いということで、「英語科」とした。1967(昭和42)年4月開学する。この年は101人全て推薦入学者で、そのうち調布高等学校からは46人であった。
新しい時代の学園
1997(平成9)年、短期大学創立30周年を迎えたこの年に、大学の新たな将来像を検討する動きがあり、4年制大学への転換を望む声が大きくなってきた。2002(平成14)年には、4年制の人間福祉学部が開設され、大学名も田園調布学園大学と変更された。
2005(平成17)年には、中高校の新校舎が竣工。安心感の基となる耐震性について最新技術を取り入れた、耐用年数100年を目指した建物である。
田園調布学園大学みらいこども園の誕生
2006(平成18)年、大学が子ども家庭福祉学科を開設し、福祉社会に貢献できる専門職養成の体制を整えた。継続的に、保育・教育、子育て支援を体験し、より専門職としての実践を養う場を確保し、演習、ゼミナールなどの教育と柔軟に連携できる、認定こども園の設置が計画された。2010(平成22)年4月に、川崎市初の幼保連携型認定こども園として川崎市中原区下新庄に、みらいこども園が開園した。園内に、地域子育て支援センター「とも」も解説された。幼稚園児34名、保育園児106名の計140名でスタートした。
田園調布学園校友会の歩み
かねてより中高から短期大学に進学した生徒の保護者を中心に後援会OB会として親睦を深めていたところ、学園創立80周年を迎えることを機にさらにall chofu の機運が高まり、2004(平成16)年12月1日に「田園調布学園校友会」の発足をみるところとなった。校友会は、法人関係者、各学校の保護者による組織、卒業生による組織、全教職員をもって構成されている。
2004年度 9月 | 校友会発足準備会 |
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2005年度 3月 |
田園調布学園DCカード発行
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2006年度 5月 | 田園調布学園DCカード発行数244枚 |
2007年度 6月 | 大学・中高・幼稚園にサクランボの樹を植える。 田園調布学園DCカード発行数283枚 |
2008年度 3月 | 第1回公演&親睦会 秋山仁 数学者・東海大学教授 講演テーマ「どうぞ子どもたちの人生が多難でありますように」 |
2009年度 3月 | 第2回講演&親睦会 観世清和 観世流家元 講演テーマ「能の心と伝承」 |
2010年度 | 講演会&親睦会 東日本大震災のため中止 |
2011年度 3月 | 第3回講演会&親睦会 山下泰裕 柔道家・東海大学副学長 講演テーマ「夢への挑戦」 調布学園データベースの作成 |
2012年度 3月 | 第4回講演会&親睦会 藤田太寅 NHK元解説員 講演テーマ「出口探る日本経済〜高齢化社会への対応」 |
2013年度 3月 | 第5回講演会&親睦会 中西哲生 スポーツジャーナリスト 講演テーマ「フィールドから見渡した世界」 |
2014年度 3月 | 第6回講演会&親睦会 小谷真生子 経済ジャーナリスト 講演テーマ「経済報道の現場から」 |
2015年度 3月 | 第7回講演会&親睦会 中原篤徳 田園調布学園大学准教授 講演テーマ「オルセーの美〜収蔵の絵画・彫刻から」 |
2016年度 3月 | 第8回講演会&親睦会 石井和子 元TBSアナウンサー・気象予報士 講演テーマ「気象で綴る源氏物語〜紫式部からのメッセージ」 |
2017年度 3月 | 第9回田園調布学園中等部・高等部管弦楽部 定期演奏鑑賞 |
2018年度 3月 | 第10回講演会&親睦会 藤嶋昭 前東京理科大学学長 講演テーマ「身のまわりの自然現象には面白いことが多い」 |
2019年度 3月 | 第11回講演会&親睦会 神田学 東京工業大学教授 講演テーマ「見逃せない都市の温暖化〜熱中症とゲリラ豪雨 それによる生活への影響」 |
2020年度 | 新型コロナウイルス感染症の感染拡大により活動休止 |
2021年度 | 新型コロナウイルス感染症の感染拡大により活動休止 |
2022年度 5月 | 広報、交流、福利厚生のワーキンググループを設置 |
2023年度 11月 | 田園調布学園校友会ホームページ公開 |
2023年度 12月 | 第12回講演会&親睦会 中原篤徳 流通経済大学教授 講演テーマ「折々の香を楽しむ」 |